二回目のロックダウンの少し前のことですが、うちからちょっと足を延ばして散歩をしていたときに、ふと古本屋さんに寄りたくなりました。時々前を通ったことはあったものの、じっくり見たことはなかったので、ちょっと見てみることに。

外には、£1で買える小説などが並べてあります。普通の古本屋さんぽい。

洋裁やハンドメイド関連の本はないかな~と中に入ってみますが、とにかく山積みで、どこに何があるか全くわからない。「ハンドクラフト関連の本はありますか?」と店員のお姉さんに聞くと、
「ここには、そんなに在庫がないから、倉庫に行きたい?」
「あ、ええ」
「外に男の人がいたでしょ?聞いて時間を予約してみて」
「あ、はい、、、」
外に出て、おじさんに話しかけてみる
「あのー、倉庫に行きたいんですが?」
「いつがいい?今から行く?」
、、、というわけで、勢いでそのまま倉庫に行ってみることに。
おじさん(=オーナーのRayさん)に、倉庫の住所を教えてもらい、お互いの電話番号を教えてあって、現地集合することに。こちらは、徒歩で20分くらい、Rayさんは到着するころに車で来てくれるとのこと。(車に乗せてくれたらいいのに、、、と思いましたが、後で分かったのは、車は助手席も後部座席も、荷物でいっぱいで誰も乗れる隙間はなかったw)

てくてく歩いていると、Rayさんから電話。
「今どのあたり?」
「〇〇通りを曲がるところなので、あと5分くらいだと思う、、、」
「じゃ、後でねー」
この時点で、なんかもう、宝探しか探検ゲームに参加してる気分になってきます。

現地に到着して、大きなビルの入り口で待っていると店長さんが迎えに来てくれ、ビルの裏の入り口へ。
エレベーターに乗ると、降りる時と昇る時のそれぞれの暗証番号を教えられる。二度と戻れなくなると困るので慌てて携帯にメモ。(後で階段もあることに気づくんだけどw)。

そして、地下に降りると、「ここには6つの部屋がある。まずは一つ目に案内するよ」と言われ、中に入ると、そこには、ものすごい山積みの本。倉庫には全部で200万冊くらいの本があるらしいんだけど、最初「倉庫」と聞いて、図書館のような場所をイメージしてたのよね。きっちり本が並べられていて。しかし、そこは、とにかく山積み。歩くのもやっとの隙間しかなくて、ちょっと触ったら、崩れてきてしまうような。もちろんハシゴに上らないと上には届かないけど、崩れないか、自分が落ちないか、緊張感ありまくり。

Rayさんに興味があるジャンルを言うと、そのエリアに連れて行ってくれて、
「まずは落ち着いて、自分の場所を見つけて。見つけたらゆっくりリラックスして探すんだよ。だいたいみんな何日もかけて過ごすんだよ。休憩を取りに外に出てもいいからね」
そう言って、レコードプレーヤーで音楽をかけてくれる。やっぱりレコードの音は違うよね。うんうん。

全ての本が見えるわけではないので、ジャンルを決めたとしても、山を掘り出す感じで、端っこから順番に見ていかないといけないし、全部見るには時間がとてもかかります。
で、欲しい本を見つけたらどうすればいいのか、、、。段ボール箱を渡されて、
「欲しい本はここに放り込んで。買うものを決めたら、金額を計算するから。まとめてディスカウントもしてあげるよ。」
廊下には、何日も通っていると思われるお客さんの段ボールが置いてありました。

「それじゃぁ、他の部屋も案内しておくよ」と、芸術関連の部屋や、背表紙の素敵な古書(主にインテリアや映画の撮影用なのだそう)や、小説の部屋など一通り見せてくれて、
「今日は何時間くらいいる?僕はこれから配達があるから、2時間後くらいに、様子を連絡して」と言って、Rayさんは去っていきました。

他のお客さんは誰もいなく、地下室に置いて行かれ、古本に囲まれ、、、なんというか、ハリーポッターの世界に迷い込んだような、不思議な感覚。最初はちょっと怖かったけれど、1冊ずつ古本の山を紐解いていくうちに、リラックス&世界に入り込んでいって、2時間はあっという間。

今回は洋裁・刺繍系の本を中心に探しましたが、ありとあらゆる本が置いてあって、Victoria女王の手紙が本になったものなど、見た目も雰囲気も、うわー素敵、と思うものがたくさん。

結局夕方までいて、Rayさんに電話をして、「今日は終わったのでそろそろ帰る」と伝えると、段ボールを廊下に出しておいてくれれば、後で回収して、値段を計算して、次回お店の方で受け取れるとのこと。翌週にスーツケースを持って取りに行きました。

なんだかすごいのは、置いていった段ボールには名前も書いていなかったし、こちらの名前もきちんと確認してるわけじゃないのに、なんだかうまいこと認識されてて、ちゃんと本が受け取れた・・・。そもそもこの大量の蔵書でどこに何があるか把握していて、誰かから注文を受けたら見つけられるわけなので、ものすごい記憶力のいい人なんだろうな、、、さすがプロの仕事。

今回買ったものの中で、1番のお気に入りはこの2冊。(帰り道にテムズ川沿いのベンチで休憩&早速オープン)


MARY THOMS’S DICTIONARY OF EMBROIDERY STITCHES – 初版は1934年、これは1949年の増版。様々なステッチが細かく解説されているのに加えて、挿絵がかわいい。


SINGER SEWING BOOK -1954年のイギリス初版。原版はアメリカだけど、当時のお洋服の挿絵、雰囲気にきゅんとします。

日本にいたときは、新品が好きで、汚れていたり、文字が書いてあるのは嫌だったし、中古品や古本は誰が触ったのか分からないのが気持ち悪い、、、という感覚だったんだけど、Amazonにも売っていないような古い本と出合えたり、書き込みですらも、誰かが昔大事に読んでいたんだな、と思うと、ちょっと愛着すら湧いてくる感覚になって不思議です。

イギリスは、家や家具にしても、古いものを直したり再アレンジして使う文化が根付いているのがいいところだと思います。先日、知人が古いテーブルをやすりで削ってニスを縫って、キレイに蘇らせている経過を見たのもあって、自分の中で古いものを見る目がちょっとずつ変わってる感じ。

ロックダウンが明けたら、またこの倉庫の宝探しに行きたいです。

Hurlingham books
https://hurlinghambooks.com/
Ranelagh Gardens, 91 Fulham High St, Fulham, London SW6 3JS

 

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